絶望の向こう側 [諸行無常]
毎回 ハラハラしながら観ていたドラマ
「モンテクリスト伯」が14日
最終回を迎えました
思っていた通り
切ない終焉でした
ますは冒頭
母の墓前にたたずむ「暖」に詰め寄る「すみれ」
「こんなこと (復讐) お母様は望んでない! もうやめて!! 」
と激しい口調で挑みます
冤罪で外国の牢獄に監禁され
拷問を受け続けた暖の苦悩に寄り添う姿勢は
微塵もありません
むしろ 加害者の身を案じているかのようにも感じられます
視聴者はこの時点で
この二人のハッピーエンドはないな
と予想しますが
にもかかわらず
暖はすみれに15年ぶり
2度目のプロポーズをするのです
受けてくれるなら
復讐を止めるという
条件で
ラストシーン
暖は館に灯油をまき
縛られた「幸男」と「神楽」を前にして
プロポーズの応えを求めます
「すみれだけは助けてくれ!」という
幸男の言葉がすみれの心に刺さります
過去に幸男が何をしたか知ったからといって
夫婦として暮らした時間の重さが
そこにはあります
「わたしは真海さんと結婚します」
泣きながら答えるすみれ
一瞬 暖の表情に喜びが浮かびますが
すぐに曇ります
自分への愛ではない
幸男を救うためだと気付いたのです
幸男と神楽の縄を切り
解放した後 彼はマッチを擦って
床に落とします
最初の予定に反して
誰も道連れにしようとはせず.....
これ以上 すみれを悲しませたくない
暖の復讐を終わらせたのは
彼のすみれへの愛でした
すみれの暖への愛ではなく
愛が憎しみに勝ったのですが
あまりにも哀しい
炎の中に飛び込んで暖を救いだしたのは
彼を冤罪に陥れたクズ男の幸男でした
何をやっても暖に勝てず
意中のすみれもなびいてくれず
嫉妬に悶々として
つい ウソの密告をしてしまった幸男ですが
すみれへの愛情だけは真実だったようです
終章
取調室で悪態をつき
暖なんて死んでくれてよかったと口をそろえる幸男と神楽
その深い胸中では
多少は自らが種をまいてしまった暖の苦難の痛みを
察している事でしょう
原作通り
片腕となってくれた愛梨と
これから生きていくのかと想像させるような
エンディングでした