夜更けの長電話 [諸行無常]
夜更けに
長電話で罵詈雑言を浴びせられ
罵倒されまくったことがあります
彼女は同僚でしたが
めったに顔を合わせないので
顔見知り程度の知り合い
それがいつのころからか
頻繁に自宅に電話がかかるようになり
いずれも長電話
内容は決まって上司の悪口
「上司はもっと私を尊重すべき
なってない」というのが彼女の言い分
その上司の近くで仕事する機会の多かった私は
「できれば辞めてもらいたいが、そうも言えず」という
上司の本音を知っていました
上司の近くにいる人たちの間では
周知の事実です
同時に彼女の仕事ぶりも
一緒に組んだことがあるので知っていました
たびたび入るクレームの電話を上司が対処していることも
尊重、は無理でしょう
上司の悪口をまくしたてる彼女に
上司の本音を伝える勇気はさらさらなく
そのたびになだめていたのですが
ある日 キレられてしまいました
「あなたに何がわかるのよ!」と
おそらく
彼女の心に添えていないことに気づいたのでしょうね
1時間余りなだめて慰め
穏やかになったところで電話を終えました
今なら
「ごめん 私には無理 わかる人に電話して」と言いそう
彼女はかっとなると見境なく
誰にでも突撃していたようで
突撃された人たちが
彼女のとっぴょうしのなさの話題に花を咲かせていました
ある人曰く
「さみしいから もっとかまってと噛みつき
噛みつくから人が離れてくの悪循環」
おそらく
「この人ならわかってくれる
受け止めてくれる」
と期待されていたのでしょうね
でも
期待通りじゃないと言って噛みついたら
永年の夫婦でさえ終わってしまいかねません