夜更けの電話魔 [諸行無常]
顔見知り程度の同僚から
ある夜 電話がかかってきました
「mayuさん みんながあなたの事 なんて言ってるか知ってる?」
「へ? なんて?」
何の事だろうとちょっと不安になりながら問い返してみると
「みんながあなたの事 気が利かない人って言ってるわよ」
「なんだ、そんなこと・・・」
別に私 気が利く人間だと思ってないし
人からそう思われたいとも思ってないし
電話してきたHさんと顔を合わせるのは
合同会議の時ぐらいのもの
大勢が広い会議室に集まると
お茶や資料を率先して配る数人の人がいるけれど
私はさっと席に着くその他大勢の一人
いい人に見られたいから
配る人を買って出たいと思ったことはありません
だから 気が利かない人?
まあ そんなことを言っている人が居ても
不思議じゃないけれど
配る役やっていないので
言われてもしようがないし
全然気にならないので
この話はこれでおしまい
イベントが開かれるときは
ホールの準備が結構大変
みんな それぞれ役割を担っているのですが
Hさん パイプ椅子を両脇に抱えて
並べるのかと思うと
そうではなく
私のところへスタコラやってきました
「mayuさん これ並べて!!」
「へ?」
わざわざ私のところまで持って来なくとも
自分で並べたほうが早いだろうに!!
ホールでは関係書籍も販売されます
またまたやってきたHさん
「本を買いたいから1000円貸して!!」
本屋さんでいつでも買えます
財布に1000円入っている日に買ってください!
彼女との初対面は
研修旅行の夜でした
たまたまホテルで同室になったのです
「私には霊が感じられるの」と言って
部屋のあちこちに置き塩をする彼女を
おかしな人だと思ったものでした
霊は感じても人の心には疎い
人を見る目のない人のように思いました
彼女が一番欲しかったものは
上司からの評価だったようです
「上司はもっと あたしを尊重すべき」という
怒り狂った電話が夜更けに何度もかかってきたものでした
その上司の傍で仕事をする機会の多かった私は
彼女が担当した相手から
ちょくちょくクレーム電話が
上司のもとにかかってきていたことを知っています
上司のため息も・・・
「Hさん 上司があなたの事 なんて言ってるか知ってる?」
とは言いませんでした
明らかに彼女が傷つくことなので
でも
それでよかったのかな?と
ふと思います