認知症に戸惑う [諸行無常]
母と買い物をしていた時のことです
ちょうど近所の母の知人の女性も来ていました
買い物を終えて
引き上げている時
母が走り寄ってきて
「あの人 お金が足りないから出してあげて」
「え~ いやだわ、私」
「出してあげてったら」
母は強引に私の財布から
お金をひったくっていきました
数時間後
その人の自宅に
お金を返してもらいに行きました
母が返してもらうといっていましたが、
全く期待はできないので
開口一番
「お金ないんよ」「銀行へ行かんと」
はあ? 財布に現金は足りなかったけれど
家にはあるんじゃなかったのかい?
いつ銀行へ行くんだい
このまま うやむやにされそうな気配濃厚
顔面蒼白になる私
すると
向かいの家から年配の女性が出てきて
(お向かいには弟夫婦が住んでいる)
「もしかしてお金貸しましたか?」
「はい そうです」と私
「もうお金の管理ができなくなっているんですよ」
そう言って
自分の財布から返金してくれました
認知症だということは気付いていました
なのに
貸してしまった私がうかつだったと
自分を責めています
買えない分は返品するようアドバイスすればよかったのに
母の剣幕に圧倒されて
あまりに一瞬の出来事だったので
冷静な判断ができなかった
私が出してしまわなければ
弟の奥さんにも迷惑は掛からなかったのに